イ・マンドルリの畑は、今まで全く肥料や農薬で
 汚染されたことがありませんでした。
 このため数十万年前に地球に存在していた微生物が
 今も土壌に含まれていると考えられます。
 「テロワールを醸造する」を哲学とするイ・マンドルリでは、
 このピュアなテロワールで栽培したブドウを全て⼿摘みで収穫して、
 醸造添加物は⼀切付け加えずに醸造を⾏います。
 醸造中は温度管理も⾏わず、清澄も濾過も⾏わず、
 純粋な透明感に包まれたナチュラルワインを造っています。
 イ・マンドルリの歴史は、現当主のマダレーナ・パスクエッティの父、
 マッシモ・パスクエッティがスヴェレートに魅了されて土地を購入した2002年に遡ります。
 カンティーナでは2003 年に地所の北東〜北⻄側にサンジョヴェーゼを、
 2004年には南⻄側にカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランを植樹して、
 2008ヴィンテージからワイン造りをスタートしました。
 ブドウ木はマッサルセレクションによる複数の苗木を植樹しました。
 このため単⼀のサンジョヴェーゼの畑でも多様性が表現されているのが
 大きな特徴です。
 設⽴当初からビオディナミでブドウを栽培しています。
 現在の栽培面積は約4ヘクタールで、少しだけアレアティコ、マルヴァジア、
 ヴェルメンティーノも栽培しています。
 現当主のマダレーナは、2011 年まで小学校で教師をしていましたが、
 家業のワイナリーに参画したことで、それまで心の片隅にあった自然と大地、
 そしてワインに対する情熱が強く沸き上がり、家業に完全に専念するようになりました。
 マダレーナは、カルミニャーノのバッケレートのロセッラ・ベンチーニの下で修⾏して
 ビオディナミを学びました。
 そして現在は、ビオディナミのスペシャリストでワイナリー設⽴当初から
 栽培と醸造の責任者を務めているアンドレア・バルジャッキとともに、
 二人三脚でワイナリーを運営しています。
 地中海から約10〜15kmに位置するスヴェレートは、
 4月から10月にかけてイタリアで最も雨の少ない場所の1つです。
 イ・マンドルリは、スヴェレートのベルヴェデーレ地区にあります。
 トゥア・リータやモンテペローゾ、ペトラなど、
 その他のスヴェレートのワイナリーの殆どは、
 スヴェレートの村の旧市街の南に広がる斜面に集まっています。
 しかし、イ・マンドルリのあるベルヴェデーレ地区は、
 旧市街の北側にあり、旧市街のある丘陵よりも
 さらに⾼い海抜300mの丘陵に位置しています。
 ワイナリーの畑は、豊富な鉱物質で知られるメタッリフェーロ丘陵と
 地中海のエネルギーを受ける段丘にあります。
 南⻄にはゴルフォ・ディ・バラッティ(バラッティ湾)と
 エルバ島が⾒え、そこからリベッチオと呼ばれる⻄風が吹き付けます。
 この海からの風によって、湿気が飛ばされるため、
 畑はベト病などの病害から守られます。
 また、ワインに塩の風味が加わります。
 土壌は石灰、粘土、砂が均⼀に混じり、シスト、マール、
 ガレストロ、頁岩、砕骨、鉄、マンガンなどのワインの味に
 反映される希少な微量元素が豊富に含まれています。
 ワイナリーの畑は円形劇場のような畑で、ブドウ木は⼀日中日の光を浴びます。
 それに加え、バラッティ湾が鏡の役割を果たしてくれるため、
 昼は太陽の光を、夜は星の光が反射して、畑に惜しみなく降り注ぎます。
 イ・マンドルリの畑の周囲には、セイヨウヒイラギガシやコルクガシ、
 イチゴ、ギンバイカ、ピスタチオなどの地中海灌木が残っています。
 アーモンドの木(イタリア語で『イ・マンドルリ』と呼ぶ)もあり、
 それがワイナリーの名前の由来になっています。
 また、周辺には数百種の鳥やカメ、キツネ、⿅、イノシシ、
 ⾊とりどりの蝶を含む何百万もの昆虫が生息しており、
 豊かな動物相に恵まれています。
 この豊かな生物多様性はワイナリーの大きな財産です。
 自然界の細菌、菌類、昆虫、ミミズは、森林やサンゴ礁と
 同じくらい複雑な生態系を持っています。
 しかし、肥料や除草剤、農薬はそれら全てを死滅させてしまいます。
 生態系が死滅した後、土が生態系のバランスを取り戻すためには
 数⼗年以上もかかるだけでなく、
 種間のバランスが取り返しのつかないほど変化するため、
 生まれ変わったものが以前のものに完全に戻ることは困難になります。
 しかし、イ・マンドルリの畑は、ブドウを植樹する前は
 地中海灌木が自生していた場所で、
 今まで全く肥料や農薬で汚染されたことがありませんでした。
 このため、土は全く汚れがなく純粋で、
 数⼗万年前に地球に存在していた微生物が
 今も土壌に含まれていると考えられます。
 マダレーナ・パスクエッティはこのテロワールの⼒を強く信じています。
 テロワールは人類共通の守るべき資産で、
 後世に継承していくべき大切なものであると考えています。
 イ・マンドルリでは、ビオディナミによって、地中の微生物の生命⼒と、
 地球と空気の交換プロセスを⾼め、畑の周辺環境の自然バランスを整え、
 ワインに最大限のテロワールを表現しようと努めています。
 栽培と醸造について
 イ・マンドルリでは、慣⾏農業で使われる農薬や肥料は⼀切使わず、 ビオディナミで認可されている500番や501番などのプレパラートを使っています。
 人工的な肥料も⼀切使わず、セイヨウワサビやクローバー、大⻨、レンゲ、
 エンドウ豆などの緑肥を畑に撒いています。
 これらの緑肥は、土壌の有機組成と窒素のバランスを
 自然に改善してくれると同時に、畑の侵食防止、
 夏の間の旱魃防止にも役⽴っています。
 ワイナリーでは畑作業においても醸造においても、
 可能な限り自然な方法で作業をしています。
 例えば、⼀般的に⾏われている摘芯は⾏わず、
 ブドウの枝先を切らずに伸びたままにしておいて、
 ブドウを自律的に成⻑させています。
 また、太陽のサイクルだけでなく、月のサイクルも
 栽培やワイン造りの工程における目安としています。
 イ・マンドルリでは「テロワールを醸造する」を哲学としています。
 セラーでは、⼀世紀前の醸造所にあったものを⾒つけることができます。
 カンティーナでは衛生管理のためだけに現代的技術を用いていて、
 その他の醸造工程は、全て自然なプロセスに任せているからです。
 収穫は全て⼿摘みで⾏い、酵素、培養酵⺟、酒石酸、濃縮物、矯正剤、
 安定剤、その他の醸造添加物は⼀切付け加えずに醸造を⾏います。
 醸造中は温度管理も⾏いません。
 清澄も濾過も⾏いません。
 ボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、
 瓶詰め前に限り、必要最小限のSO2 を添加しています。
 VIVITさんの資料より。
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