マリーもその一人でした。
彼女はサービス業から一度離れ、
ワイン生産という新しい世界を知るために
1年間フランス各地を周り、
様々な生産者の元で季節労働者として
住み込みで働きました。
こうして多くのワイン生産地を転々とした結果、
最も彼女が魅力を感じた場所がジュラのアルボワでした。
その後2016年〜2022年までの7年間は
ラタ・ポワルのラファエル・モニエの元で
フルタイムで働き、2年目の2017年に彼と共に
「Avis de Tempête」という
ネゴスプロジェクトを立ち上げます。
2020年には自分自身のワインを造るために
個人で畑を借り、その3年後の2023年に
合計1.35haの畑を所有し独立しました。
彼女の畑の土壌はジュラの典型的な
高濃度の粘土質ではなく、
赤土や砂を含む比較的痩せた構成の粘土石灰質。
この様な土壌から造られるワインには
一般的に硬質なミネラル感由来の鋭さや繊細さが伺え、
軽快な仕上がりになる傾向があります。
そしてこの特徴に加えて、
マリーは醸造時に亜硫酸を含む添加物は一切使用せず、
ヴィンテージ毎に天候と葡萄の状態に合わせて
醸造方法も躊躇なく変えます。
そんな彼女のワインはどこか穏やかで、主張は控えめ、
繊細なタッチが心地よく、
飲み手に負担を感じさせない
飲み心地に仕上がる傾向があり、
典型的にスケールが広い特徴を持つ
ジュラワイン(特に白に関して)とは
少し異なるスタイルを持ちます。
*畑及び栽培
標高300M、アルボワに1.35haの畑を持つ。
トゥルソー(0.5ha):南向きの赤土石灰質土壌、
ステンレスタンクで醸造。
シャルドネ(0.85ha):北向きの砂・粘土質土壌、
ステンレスタンクとフードルや
樽を使い分けて醸造。
それぞれの味わい次第で
ブレンド比率を調整する。
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