★ロー・キ・ドールはオーヴェルニュ地方で
ワイン造りをするカップルの
ポール・オーブレ・キュヴリエー
(Paul Aublet-Cubelier)と
リサ・ル・ポステック(Lisa Le Postec)が
手がけるネゴスの共同プロジェクトです。
L’Eau Qui Dortの由来は
「il faut se méfier de l’eau qui dort =
眠っている水には注意するべし」ということわざで、
例えば何の変哲もない浅瀬でも
底の形状や潮の流れ次第で人は
簡単に溺れてしまうわけで、
生産者としてワイン造りに関する
全ての要素に対し常に謙虚に向き合い
注意深く観察する、強い意志が
この名前に込められています。
ポール&リサはオーヴェルニュ地方に
自身のドメーヌをそれぞれ所有し、
ワインは異なるエリアで造っていますが、
このプロジェクトでは
「二人の自由な発想」を軸に
複数地域の葡萄を醸造しワインを造ります。
「他の生産者から買う葡萄は、
実際に自分たちの手で育てた葡萄に比べると、
年間を通してどの様な天候や栽培方法の元で
育ったかについて詳しく知ることはできない。
そのため理屈に基づいた手法で、
そのポテンシャルを最大に生かすことは難しい。
しかし詳細を知らないため、
固定観念にとらわれることもない。
感性を駆使してワインを造れるのは、
それはそれで素晴らしいことだと思う。
自由な発想をワイン造りへ反映させる経験を
積み上げることこそが、
このプロジェクトの価値です。」と彼らは話します。
葡萄はオーヴェルニュを始め
スペイン国境沿いのカタルーニャやペルピニャン、
イタリアのアスティなど、
いずれも暑い気候の地域のものですが、
その中でも標高が高くワインに冷涼感が
強く出やすいものを多く使用します。
彼らのワインは全体を通してとても
フレッシュで果実味が充実していますが、
最大の魅力はマセラシオンの工程で
タンニンが十分に抽出されているにも関わらず、
舌触りはとても滑らかで張りも強い。
葡萄は十分に熟したものだけを使用するため、
果物や土壌由来のエキスが
豊富に含まれた味わいに仕上がります。
彼らは気さくで明るく、
我々の訪問を毎回とても温かく
迎え入れてくれます。
仕事面ではワインの品質に対する追求心が
とても強く感じられ、
私たちは彼らと会うたびに
刺激をもらっています。
ロー・キ・ドールは、二人が
それぞれのドメーヌで多くの困難と
対峙しながらも、お互いを支え合い、
更なる経験を求めた
向上心が生んだプロジェクトなのです。
折りたたむ