ドメーヌを営むマルク(Marc Lacroix)と
アン=セシル(Anne-Cécile Daubigney)は、
ともにソムリエとしてキャリアをスタートさせ、
マルクはミシュラン三つ星レストラン「Maison Pic」、
アン=セシルはパリの人気レストラン「Papillon」で
経験を積んだ後、
それぞれトマ・ピコ(Thomas Pico)と
フランソワ・ルーセ=マルタン
(François Rousset-Martin)のもとで研鑚を積み、
ブドウ栽培と醸造を学びます。
トマ・ピコ(Thomas Pico)からは、
クラシックな畑仕事と体系的な栽培を。
フランソワ・ルーセ=マルタン
(François Rousset-Martin)からは、
SO₂無添加を含めた自由なワイン造りの哲学と、
多くの設備や道具に頼らずとも優れたワインを
造るための考え方を学びました。
ソムリエとして培った二人の感性と、
それぞれの師から受け継いだ哲学。
そのすべてが融合し、
現在のMaison des Sauesのワイン造りへと
つながっています。
醸造において彼らが目指しているのは、
「SO₂を添加しなくても、欠陥のないワイン」です。
現在も、ほとんどのワインをSO₂無添加で
仕上げています。
それを可能にしている理由の一つが、
この土地ならではの低いpHです。
豊かな酸によって不要な微生物が増殖しにくく、
非常に安定した発酵が可能になります。
特にサヴァニャンは、完熟を待って収穫しても
十分な酸を維持できるため、
SO₂無添加の醸造と非常に相性のよい品種だと
彼らは考えています。
一方、シャルドネは熟しすぎるとpHが上がり、
醗酵が難しくなるため、
完熟を待つのではなく、
適切なタイミングを見極めて収穫しています。
SO₂を添加したワインと無添加のワインの
両方を試した経験がありますが、
彼らは「SO₂を入れない方が、
ワインのヴァイブレーションが大きく、
より心に響く」と感じたと語ります。
ブドウは小さなケースで収穫し、
ゆっくりと圧搾した後、
4〜5年使用した古樽で醗酵・熟成を行います。
彼らが求めているのは樽香ではなく、
古樽がもたらす穏やかな酸素供給です。
熟成中は必要最低限のウイヤージュのみを行い、
瓶詰めも酸化やショックを抑えるよう行います。
今後は熟成期間をさらに長くし、
より複雑で調和の取れたワイン造りを目指しています。
「自分たちが育てたブドウだけでワインを造りたい」
という思いから、自社畑のブドウのみを使用しています。
そんな二人の経験と考え方、そして何より、
圧倒的なワインのおいしさに心を動かされ、
今回の輸入が実現しました。
SO₂無添加、いわゆる「ゼロ・ゼロ」の
ワインであっても、人(技術・経験や才能)と
テロワール(気候を含めた風土)があれば、
これほどまでに高いクオリティと
美しさを備えたワインを生み出すことができる。
そのことを、ぜひ皆様にも
知っていただきたいと思っています。
グラスの中の味わいとともに、
彼らが日々積み重ねている丁寧な畑仕事にも、
想いを馳せていただけましたら幸いです。
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