畑と栽培について
所有畑は概ね標高300〜500mに広がり、
アペニン山脈の西側の丘陵地であるこの地には、
山からの冷たい空気が夜間に流れ込む。
そのためより南方に拡がる
キアンティ・クラッシコ地区などに比べると
昼夜の寒暖差はより大きくなり、
果実は酸を保ちやすく、
引き締まった味わいのワインを生む要因となっている。
土壌は岩の多い粘土およびマルヌで構成されている。
1999年にはバイオロジック認証を取得し、
自生する植物を排除せず、
豊かな生態系が保たれるよう努めている。
収穫は近年でも通常9月末から
10月にかけて行われている。
セラーと醸造について
ブドウはすべて手作業で収穫され、
コンクリートタンクにて3〜4週間の
マセレーションを経て醗酵される。
抽出はルモンタージュやピジャージュで行い、
醗酵後は長期間澱と接触させることで、
ワインに厚みと丸みを与えることが肝要とされる。
熟成容器はワインのスタイルに応じて使い分けられる。
・白ワイン「イン・アルビス」は
コンクリートタンクで2年間熟成。
・キアンティ・ルフィナは
コンクリートおよび木樽で1年半〜2年熟成。
・リゼルヴァは木樽で2 年半〜3年間熟成。
・赤トップキュヴェ「ヴィーニャ・アッラ・ステーレ」は
木樽で最大4年間熟成。
・甘口ワイン「ヴィンサント」は、
9年間の樽熟成。
キアンティ・ルフィナ新カテゴリー:
テッラエレクテ Terraelectae について
キアンティ・ルフィナは、キアンティ・クラッシコの
陰に隠れて目立たない
サブ・リージョンであり続けてきた。
そのような状況を打破するため、
キアンティ・ルフィナ協会は
品質ピラミッドの頂点に位置する
「テッラエレクテ」というカテゴリーを創生した。
主な規定は以下の通り。
・キャンティ・ルフィナ DOCG の生産ゾーン内で
造られたワインであること
・サンジョヴェーゼ 100%であること
・Vigna か Vigneto の記載がラベルにあること
(つまり単一区画のキュヴェ)
・リゼルヴァであること
・1ha 当たり 7,000kg/ha 以下の収量であること
・アルコール度数が12.5%以上であること
・少なくとも30ヶ月熟成で、18ヶ月は木樽、
6ヶ月は瓶内熟成していること
これらの規定に加えて、ルフィナの生産者による
試飲が行われキャラクターと品質を備えると
認められることが「テッラエレクテ」を
名乗るために必要となる。
2025年8月現在、
キアンティ・ルフィナを造るワイナリーは22社、
その内20社が協会に加盟し、
その内12社が「テッラエレクテ」を
造ることが認められている。
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