★フォンテレオーニとほかの数件の造り手とともにテヌータ・レ・カルチナイエは、
 ヴェルナッチャに高品質のワインが復活したことを示している。
 高品質志向のヴェルナッチャという考えは、一世代前には誰も顧みなかったものである。
 シモーネ・サンティーニは働き者で、一人でこのカンティーナをきりもりしている。
 典型的なトスカーナ人らしいユーモアのセンス、鋭さ、軽さ、刺激があり、
 彼が造るヴェルナッチャによく似ている。
 彼のワインを見れば、サン・ジミニャーノがなぜ最初にDOCを得たかがわかる。
 ソアベ・オルヴィエートとともにヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノは、
 イタリアの白ワインの中で傑出しているという名声を裏付けるようなワインだからだ。
 そのワインは華やかさと神経質さを併せもち、しっかりした骨格がありながら
 溌刺としている。しかもアフターはなめらかでヴェルナッチャ酒の独特な
 ほろ苦いアーモンドのタッチがある。
 カルチナイエのヴェルナッチャはいわばコケティッシュな可愛らしい女性で、
 生産量は少ないが、もっと欲しくなってしまう。
 ヴェルナッチャ - ヴィーニャ・アイ・サッシは単一畑の産で、
 取れる量はもっと少ない。
 こちらは一部樽醗酵で、控えめで静かなおもむきがある。
 シモーネ・サンティーニの赤ワインにぞっこん惚れた人も少なくない。
 キャンティ・コッリ・セネージ(無清澄、無濾過)はサン・ジミニャーノの気候と
 テロワールが生み出すしなやかサンジョベーゼの素晴らしい実例であり、
 気取らない柔らかな、大変親しみのある味わいがする。テオドーロはここの華である。
 芳酵で凝縮した味わいのこのワインは、メルロとカベルネ、
 サンジョベーゼの混醸ワインで小樽熟成させた、見事な出来映えだ。
 栽培:ビオロジック ジャンフランコとグラツィエッラの二人は、
    2つの深い信念に基づいた計画を心に描いていた。
    ・高品質な作品を生み出すためには、自然な栽培にとって
     理想的な生育環境を形成する、
     複雑な《生態系》(エコシステム)が必要である。
    ・過去の経験は、調査研究から生まれる《革新》(イノヴェーション)に照らして、
     活かされなくてはならない。すなわち、直感から発し、
     田園の経験から進化した過去の文化(経験)は尊重すべきだが、
     最先端の実験法によって合理的に理解し、検証されなければならない。
     つまり、自然とその法則にのっとれば、
     土壌や作物を単なる踏み台にすることなく、
     自然の持っている可能性を最大限に表現することができる。
 栽培品種:ベルナッチャ、サンジョベーゼ、コロリーノ、カナイオーロ、
      メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン