2025年時点において畑の面積は2.8haまで拡大して、
一人で運営するには十分な規模の
ドメーヌまで成長しました。
オーヴェルニュの気候の特筆すべき点は
昼夜の寒暖差が激しいことにあり、
具体例として収穫時期は最高気温が30℃を超え、
最低気温が10℃を下回ることも珍しくありません。
加えて畑は標高550mの南東から南向きにかけて
広がる斜面のため、ぶどうの成熟において
非常に好条件な環境です。
土壌は粘土石灰質ですが、
このエリアは粘土の濃度が高いがゆえに
保水性に優れているため、
近年の干ばつにも適応しやすい点も
特徴として挙げられます。
この環境から生み出されるリサのワインの
最も大きな魅力は、繊細さにあります。
オーヴェルニュ特有の塩味やフュメ香をはじめ、
舌触りの柔らかさがありながら、
少しアロマティックで妖艶な味わいが印象的です。
彼女は葡萄がちょうど良く熟した状態で収穫し、
醸造では工程ごとにとても丁寧に
仕事が施されていることが
ワインを通して伝わってきます。
とても明るく親しみやすい人柄のリサですが、
仕事は厳格です。
畑とセラーは常に綺麗な状態に保たれ、
試飲の際には余談を一切挟みません。
こうした点こそが、彼女のワインに
個性を与えているのだと思います。
今後の活躍が非常に楽しみな若手生産者です。
●栽培・醸造について
ピノグリ、ガメイ(ド・ボージョレが70%、
ドーヴェルニュが30%)、シャルドネを栽培する。
樹齢はガメイ・ドーヴェルニュのみ80年、
その他は概ね25年。
ピノ・グリは、ミュスカ・プティグランや
トゥルソー・アラダムのように、
一般的に知られているものよりも実が小さく、
味が凝縮しやすいタイプです。
醸造では葡萄本来の状態を
活かすことを重視しており、
マセラシオンを行う場合は極力全房で
仕込まれます
(2023ヴィンテージはすべて全房マセラシオン)。
ピジャージュは行わず、
ルモンタージュも1〜2週間に一度と
頻度が少ない上に、ポンプではなく
バケツを使用してタンク上層の葡萄が
乾かない程度に抑えて行います。
こうすることでタンニンは非常に柔らかく、
ざらつきのない滑らかな口当たりに仕上がります。
この点はロー・キ・ドールのワインにも共通しており、
プロジェクトを通じて彼女の
醸造技術の高さを窺えることができます。
プレスは水平のマシンを使用する。
醗酵の大部分はステンレスタンクで行い、
熟成は228〜400Lの樽で行う。
亜硫酸も極力使用せず、
必要と判断した場合のみ少量添加されます。
(2023ヴィンテージのワインは全て亜硫酸無添加)
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