DOMAINE LEFORT
ドメーヌ・ルフォー
★
野村ユニソンさんの資料より
ブルゴーニュ地方の南、コート・ドール(黄金丘陵)と呼ばれるきらびやかな地域からは少し外れた
コート・シャロネーズ地区。
その中のメルキュレ村を中心とした畑から無垢な志でワイン造りに挑戦する革命的な造り手があらわれました。
彼の名前はダヴィッド・ルフォー、端正な顔つきが印象的な若き挑戦者です。
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彼の醸造所を初めて訪ね、彼のワインを口にした時、様々な想いや感情が全身を駆け巡りました。
そのワインが持つ純粋な表現力、そしてブルゴーニュという土地からしか生まれないであろう複雑な個性、
しかし自由で奔放な明るいキャラクター。
多くのブルゴーニュワインからは感じられなくなってしまっていた魅力が、目の前のワインには詰まっていました。
まさにブルゴーニュの本当の魅力を再発見した瞬間だったと言えます。
そして疑問が湧いてきます。
リスクを取ることが難しいこの地域で、どうしてここまで素直で自由なワインが造れるのだろうと。
畑では化学的な物を使いたくないという彼は、(ボルドー液や硫黄を除く)化学合成農薬や化学肥料を用いません。
そして、醸造においても過度の人為的な介入は必要ないという信念の下で、
自然酵母による醗酵を行い、瓶詰め時の亜硫酸の添加も2011年から行っていません。
この自然なワイン造りのアプローチは誰から学んだのだろう、あるいは誰の影響を受けたのだろうと思い、
彼になぜ自然なワイン造りに目覚めたのかと尋ねてみました。
すると…「どこかで突然目覚めたわけというわけではなく、
10年ワイン造りを経験するなかで自然とその気付きを得ました。
もしかして何も入れなくてもいいのではないか、介入は必要ないのではないかと。」
ブルゴーニュの自然派ワインの造り手であれば、ドミニク・ドゥランやプリューレ・ロックの
アンリ・フレデリック・ロック、マルセル・ラピエールなどからの影響を語る造り手が多い中、
とても意外な答えでした。そして、自らその気付きに至った背景には、
おそらく彼のそれまでの人生が大きく影響しているように思います。
昔から学ぶ事が大好きだったというダヴィッド ルフォーは、大学では薬学、論理学、そして哲学などを学び、
知的好奇心を満たしていました。そしてその際、学費の足しにと選んだアルバイトが、
メルキュレ村でのワイン造りのサポートでした。
そこでの経験が彼の想いをワイン造りの道へと掻き立てます。
そして、ワインの醸造学や地質学を学ぶために哲学を探求する道を離れ、学位を取得します。
卒業後は実際的な経験を積むために10年ほどメルキュレの生産者の下で働き、
2010年に自らのドメーヌを設立しました。
もともと哲学を志していた彼にとって、自然を観察し、その背景にある真理を求め、深く学び、
深く考えるという行為はごく自然なことだったのだと思います。
物事の表層にとらわれるのではなく、奥に秘められた真実を求めるという姿勢が、
既成概念やしがらみに囚われることのない自由なワイン造りを実現させました。
ワイン造りに対して全く無垢な状態であった彼だったからでこそ取れるリスク。
そしてその挑戦と冒険があるからこそ表現できるブルゴーニュワインの純粋な魅力。
ブルゴーニュの魅力を再発見するのに、彼のワインほど相応しいものはありません。
最後に余談ですが、彼の溢れんばかりの才能はワイン造りにとどまりません。
ダヴィッドは、使用しなくなったワインの木樽から職人的かつ芸術的なデザインの棚や
テーブルなどの家具を作っています。
彼の作品はどれも精巧かつ美しく、その美意識や感性が
ワイン造りにも発揮されているのだと納得させられます。
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メルキュレ1erCRUクロ・レヴェック
2012
ピノ・ノワール 100%
2012年は、平均樹齢20年のピノ・ノワールの40%を除梗せず、
残り60%を除梗し、それらを交互にミルフィーユ状に醗酵槽に入れ、
3週間ほどマセラシオン。
月の満ち欠けのサイクルに合わせて熟成用の木樽に移すタイミングを図り、
そのまま12ヶ月ほど熟成させる。
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新樽の使用は3割程度。使用する新樽は自らの森から切り出した木材を
使用してメルキュレ村の樽職人の手によって作られたものを用いる。
厳密な清澄も濾過も行わず、瓶詰め時の亜硫酸添加も行わない。
平均的な収穫量は30hl/haほど。
味わいは、いきいきとした果実味と密度のあるタンニン、
余韻の鮮やかさなどブルゴーニュワインの魅力をぎゅっと凝縮したもの。
その一方で、男性的な骨格の強さと
余韻のナチュラルな優しさが同居している緻密なバランス感が印象的。
インポーターは野村ユニソンさんです。
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税抜価格¥5,290
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森田屋商店